過去問を取り扱う際にもう一つ考えるべきなのが、始める時期です。
過去問に取り組み始める時期は、塾によってもバラバラです。
中3の内申点に入る最後の定期テストが終わった後、つまり11月末〜12月頭から始める塾もあります。
夏休み中に過去問を触り始める塾もあります。
または、新中3になりたての3月・4月から初めてしまう塾もあります。
どうやら「絶対にこの時期から始めるべき」というのはなさそうです。
ですが、「これが終わったら始めるべき」というのはあります。
それは中学英文法、つまり中学3年間の教科書に載っている文法を一通り学び終えた後です。
当たり前ですが、高校入試の英語というのは中学英語の集大成です。
中学英語を一通り全て学び終えた人が解けるように作られています。
学校準拠のスピードで進む塾であれば、それが11月末〜12月頭になります。
いわゆる「先取り」型の塾であれば、それが夏休みになります。
学校のテストは気にしない「進学塾」であれば、それが3月・4月になります。
ここで大切なのは、「ウチの子はどのタイプであるか」を厳密に把握することです。
ここで間違えると一気に詰みます。
例えば、本当は学校の勉強についていくだけでもヒイヒイいっている生徒を
親が「早めの対策が肝心だから」と進学塾に入れようとするのは虐待です。
ただでさえ学校の勉強がおぼつかないのに、
その上過去問までやり始めたら確実にパンクします。
「あぁ、オレってやっぱり勉強できないんだな…」
とどんどん自尊心が削られて、潰れてしまいます。
逆に、明らかに学校でヒマそうにしている生徒を
親が「学校のテストが一番大事だから」と補習塾に入れようとするのも虐待です。
ただでさえ退屈な時間を過ごしているのに、
その上それをもう一回塾に行ってまで勉強させられたら
「オレ、何も信頼されていないんだな」
と親子関係が悪化するばかりか、英語力の成長がそこで止まってしまいます。
ここでは2つの例を取り上げましたが、
共通しているのは親と子で見えている景色がズレていることです。
そして大抵の場合、ズレているのは親の方です。
誰よりも現実が分かっている子供に対して、親が理想を押し付けてしまうのです。
このようなことは絶対に避けるべきです。
だからこそ、「現時点でこの子がどのくらいできるか」
を客観的に見るために内申点というものがあるわけです。
たまに「2」があるような子なら、迷うことなく補習塾に入れましょう。
「5」以外をとったことがないような子なら、迷うことなく進学塾に入れましょう。
「4」くらいで並んでいれば、その中間の塾に入れましょう。
そして、それぞれのペース・各々にとって相応しいタイミングで過去問に取り組むことです。
共通して言えることは、
「よし、これでもう中学英語は一通り学んだな」
というタイミングになって初めて過去問に取り組むことです。
それ以前のタイミングで興味本位で解いてみても、自信を喪失するだけです。
解けるわけがないのですから。
…筆者、透佳(スミカ)
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