留学生の採用担当者がある意味一番不安なのは、
「この人、スピーキングはどれくらいできるんだろう…」
ということです。
海外留学では、スピーキングはさほど求められません。
リーディング・ライティング・リスニングあたりは間違いなく毎日のように行いますが、
フレーズ集に書いてあるようなお決まりのフレーズを正しく口に出すだけで終わってしまう一日もあります。
(毎日が毎日、プレゼンやディスカッションというわけではないので)
ですが、「仕事上の英語力」と言えば第一に求められるのはスピーキングです。
ついでライティングやリスニングが少し問われます。
留学でメインとなるリーディングは、仕事上では「あったらいい」程度の能力になります。
究極、Google翻訳などを通してしまえば英文を読むのはどうにかなると考えるからです。
以上のことは、それなりの能力と経験がある採用担当者なら全員知っています。
また、「アカデミック英語」と「ビジネス英語」とでも少し、いやかなり勝手が違います。
シンプルに、扱う英単語やトピックが全く別のフィールドなのです。
「アカデミックな活字には強いけど、ビジネスのやり取りはどうなのかな…」
とお互いが不安になるのも無理はありません。
そもそも、「留学生だからといって英語力が高いわけじゃない」とまで思っている会社も存在します。
だからこそ、客観的な数字・称号としての「資格」を取っておくことは大きな強みになります。
海外留学4年に加えてTOEICで800点〜900点を持っていたりすると、
「お、留学経験もある上にやることもちゃんとやってるんだな」と評価を上げます。
はっきり言いますが、日本の大学生が取るTOEICよりも、留学生のTOEICスコアの方が同じスコアでも価値・評価が上がります。
理由は単純で、それだけ留学生として在学中にTOEICを取ろうなんて考える人が少ないからです。
通常、留学生がTOEICを受けられるのは年末年始などで帰省しているときだけです。
「せっかく日本に一時帰国して楽しんでるのに、TOEICなんてやりたくない」という気持ちは痛いほどよく分かります。
ですが、それでも私は留学生がTOEICを受けると武器になると考えます。
ここだけの話ですが、常日頃英語での課題やエッセイなどに悩殺される生活を送っているのなら、ノー勉でも構わないくらいです。
海外留学というのはそれだけ過酷かつ「気がついたらこんなに英語力が伸びていた」という環境なのです。
実はたったそれだけのことで、一定の見栄えがするスコアを取ることができます。
これだけコスパが高いのに、取らない手はありません。
…筆者、透佳(スミカ)
コメント