留学経験をした上で社会に出ると、同じように「留学経験があります」という人とのご縁が増えます。
これ自体は自然なことでしょう。
ですが、彼ら・彼女らの話をよく聴くと、
「フィリピンに2週間留学していました」
「アメリカに1ヶ月ぐらい留学していました」
という人が想像以上に多いのです。
海外留学する日本人の半数以上が1ヶ月未満である、という統計もあるくらいです。
ですが本来、海外留学とは長期留学のことです。
短期留学だと、どうしても「お客様」の気分が拭えないのです。
極端に言えば、旅行と同じです。
飛行機のチケットを取って、パスポートを取って、書類を発行して、スーツケースを買い揃えて…
と、手続きが面倒なのは短期も長期も同じです。
その結果、短期だと
「せっかく海外に来たのだから、あれとかこれをしなきゃ」
という発想になります。
下手をすると、滞在期間の半分も勉強しません。
残り半分は、観光名所を巡ったり現地で遊んだりします。
「遊ぶついでにちょっと勉強もする」ことを留学とは呼びません。
2週間かそこらしか滞在しない人に限って、ワイキキビーチに通い詰めます。
これが1年間もあると、ビーチには通わなくなります。
「あぁ、あの場所ね。もう行った。飽きるぐらい」
という境地に至った人は、わざわざビーチに行かなくなるのです。
そういう人の方が、穴場のビーチや現地の情報・情勢にも詳しいのです。
そういうことが巡り巡って、本業の勉強にも活きてきます。
せっかく「現地の学生と一緒になって生活する」ことが海外留学なのに、
ゲスト気分で興奮しているようではまだまだ甘ちゃんです。
…筆者、透佳(スミカ)
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